11 Leaf、ウィザードになる!

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 ルーンミッドガッツの西の果ての街。リーフは巨大な塔を見上げておりました。
 魔法使いの街、ゲフェンを象徴する、魔法の塔。巨大な宝石を浮かばせる、ふしぎなたてもの。
 今日、めざすのはその最上階。誰もがそこから、ウィザードへの道を歩むのです。


 リーフは、何段も、階段を登ります。
Leaf「ああ、騎乗手綱体験ってもしかしてこのためにあったのか( ゜ω゜)」
 自分の足で登ったら、どれくらいつかれていたでしょうか。
 でも、レベルアップボックスの制度ができたのは、つい最近の時期。
 それまでは、そして、レベルアップボックスの期限が切れるこれからは、自分の足で登ることが、当たり前でした。


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Leaf「しかしなにもないんだなあ」
 たとえば1Fは火の魔法、2Fは水の魔法、とか。そういうふうに、魔法を研究するフロアがいくつもあるなんてことはなく。
 この塔はひたすら、階段と空間があるだけのお部屋がいつまでも続くのでした。 


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 近くで見てみたかった、宝石のお部屋。立ち止まって、弱く輝くおっきな宝石を見上げます。
Leaf「なんかの魔法のちからっていうのは、わかるんだけど」
 だったら、ものをこうして浮かばせる魔法って、なんなんだ。リーフはそう思うのです。


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 そこからもうひとつ、階段を上がってみると、そこが、最上階のお部屋でした。
 ウィザードの転職試験が、行われるお部屋でした。


 受付台に立つ、試験官らしき女性。かたわらに、しゃべる犬と猫。
 ほかに周りを見渡せば、本棚の前では研究資料が見つからない様子の苦悩の声をあげているひと。反対の壁際では、不気味に笑うフードの魔法士らしきひと。
 でもそんな声でも、だれもみな、その響きの中に魔法の力が宿っているような、ふしぎの混じる声をしているように、リーフには聞こえました。
 ここはたしかに魔法の塔で。このひとたちはたしかに、ここを職場にしているひとたちなのでした。

「こんにちは」
 ひときわ澄んだ声が、視線を巡らせているリーフの肩をつっつきます。「こんな高いところまで、どんなご用で?」。
Leaf「ええっと、転職試験、に?」
 リーフのその、疑問系の答えに、ちょっと首をかしげながら。
「まあ、それ以外の用事でここには来ないわよね」
 こんな高いところまで、おつかれさまでした。彼女はそう、笑いかけます。

「では、いくつか簡単に確認を」
 彼女はリーフへと淡い光の宿る手をかざして。目をつむり。
「……うん、Jobレベルは50、問題ないわね。1次試験が免除されるわ。ま、いまとなっては、1次試験を受ける子のほうが少ないか」
 苦笑いを浮かべて、「では、2次試験、あの隅にいるひとのところに行きなさい」と指さします。
 さきほどリーフの目にとまった、フードの魔法士でした。


 てくてくと歩いてくるリーフに笑って、彼はククク……と声を漏らします。
 リーフは思いました。なんでそんなありがちな陰気キャラ作りを。
「貴様……(^ω^♯)」
Leaf「いや、ククク笑いはどうかと思うんだ?( ゜ω゜)」
「……試験官にむかってよくそんな態度をとれるものだ」
Leaf「平凡なマジシャンとして生きるのも悪くないと思ってる(`・ω・´)」
なにしに来たんだオマエ

 なんだこいつはといった眼差しで、試験官はリーフをみやり。
「やる気がないなら帰りなさい」
 リーフは言いました。「いや、範囲魔法を撃ちたい気持ちはあるんです(`・ω・´)」と。
Leaf「ただ、いつまたマジシャンに戻るかわからないだけで(´・ω・`)
「なにしに来たんだオマエ!?」


 試験官は、頭痛をこらえるようなしぐさをして。
「……私は体調が悪いんだ、さっさと筆記試験を済ませるぞ」
 そう言いながら、リーフへと問題を向けるのでした。


・ストーンカースが全く通じないモンスターはどれか。

Leaf「ストーンカースを使ったことが一度もありません」


・ナパームビートをマスターした時、モンスターに与えるダメージはMATKの何倍か?

Leaf「ナパームビートも使ったことありません」

 そもそもMatk倍率なんて意識したことあったっけ?


・……スロットのある「ガード」はどのモンスターから手に入れられるか?

Leaf「盾なんて持ったことないですし、ガードめあてにモンスターを数多く狩ろうとしたこともありません」


・…………イズルードダンジョンで効果が高いスキルは?

Leaf「ライトニングボルト!ヽ(。・ω・)ノ゛」


・………………、お前はいままでマジシャンとしてなにをしてきた?

Leaf「戦いに明け暮れていました(*´ω`*)」

 最初はいろんなところを旅できればいいはずだったんだけどナー。

 気がついたら戦いの狂気に飲まれているような?

 試験官は天を仰いで。いまどきの魔法士ってこんななのかと世を儚むのでした。
 彼はふう、とため息をつき。
「ならば貴様の戦いを見てやろう、戦闘試験だ。
 各属性への知識がないと通らない試験だぞ? ククク……自信を失わなければいいがな」
Leaf「ほう……、得意分野じゃよ(`・ω・´)」
 笑う試験官に、しかしリーフの表情は、自信に満ちあふれていたのです。


 送られたその部屋で、リーフは武器を構え、敵を見渡しました。
 水の部屋と称された内部と、視界にうつる敵の陣容。
 リーフの天才的で明晰な頭脳は、この試験に求められているものを一瞬で看破するのです。


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Leaf「この部屋の敵には風魔法が有効!」


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Leaf「ここでは火!」


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Leaf「そして最後は水魔法!」


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Leaf「どや?(・ω・ = ・ω・)


いやほんとに何しに来たんだオマエ
Leaf「ふぁ、ファイアウォール縦置きとかもやったし!」

 申し訳程度に。

「それで体裁を整えたつもりならおめでたい頭だと言うしかないんだが……(´・ω・`)」
Leaf「私を脳筋と侮るなよ? 安定のSTR1だ(`・ω・´)」
いやほんとに何なんだオマエ


 彼は、呆れたようにため息をついて。それからまた、リーフに視線を向けます。
「試験前に貴様は平凡なマジシャンとして生きるのも悪くない、と言っていたが」
 それは本音かと、問うたのでした。
Leaf「いやだって、マジシャン楽しいじゃないですか(*´ω`*)」

 まっすぐに、リーフは答えました。
 マジシャンソロも、一次職臨時も、二次職さんとのペアだって。
 リーフがマジシャンとして歩いてきた道程は、なにもかも楽しいものばかりで。

Leaf「ちょっと範囲魔法を撃ち込んでやりたい敵が出てきたから、こうしてウィザードになろうとしちゃってるんですけれど」
 かすかな、苦笑い。
Leaf「ウィザードになっても、私の心はずっと平凡なマジシャンに憧れたままでいると思います」

 マジシャンなど、初級職だと。強力な魔法が使えるようになるウィザードのほうが上だと誇る魔法士に向かって。
 何度でも、マジシャンに戻りたい。そんなことを、伝えるのでした。

 フードの魔法士は、リーフから視線をそらして。
「カトリーヌのところへ行きなさい、転職の手続きを済ますといい」
Leaf「……?」


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 彼はリーフを送り出しました。お前の望んだウィザードになりなさい。そう、言い残して。


 そうしてふたたび、リーフは澄んだ声の女性の前に立つのです。
「ふふ、見ていたわよ、たしかに、あなたはウィザードになる資格を手にしました」
 笑いかける彼女が、リーフに手をかざしました。あしもとに、そよ風。リーフの身体を撫でる、魔法の光。
 リーフが、いつか感じたことのある感覚。

 そう、それは。
 ノービスから、マジシャンになったあのときの――――


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 ……光が晴れて、そこには、あたらしいウィザード。
「いまの気持ちを忘れることなく、今後も、ウィザードとして精進してくてださいね」

Leaf「マジシャンに、戻りながらでも良いのなら……( ゜ω゜)」

 いつまでもマジシャンのままでいるつもりの、あたらしいウィザードに、彼女はにっこり笑って。
「一日一日、違った成長するのが私たち魔法士です。たとえすがたかたちが、マジシャンとかわらずとも」

 あなたのこころは、それをもう知っている――――



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 階段をしたに辿って、リーフは塔の1Fに降り立ちました。
Leaf「魔法で1Fに戻してくれても良いのにナー」

 首をほぐすように、軽く、ぐるり。
Leaf「……さて、腕試しだな」
 新しく生まれたウィザードは、にやりと笑います。

 ちょうどすぐそこ。この塔の地下に、ゲフェン地下ダンジョンがひろがっているのでした。
 地下に隠れている、古代の遺跡の、ほんのほんの一部だという噂もあるのですが、まだ、その実態は解明されておらず。
 そんな場処だからこそ、ゲフェンタワーをその上に建てたとも、伝えられているのでした。

Leaf「しかしこんなおもいっきり街の中心にモンスターが住んでて良いのか( ゜ω゜)」

 ゾンビやガイコツが街の隣に住んでいるフェイヨンとかもひどい環境だ。


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 マジシャン時代に、訪れたことはありましたが。
 そのときはカボチャに苦戦して、デビルチにあえなく暗殺されたリーフでした。

Leaf「ククク……生まれかわった私に敵はいない」
 ククク笑いをうつされている自覚もなく、てくてくと散策をしていると、敵の姿を発見します。
 カボチャ、単独で一匹。狙い目でした。
 詠唱して、遠距離攻撃職の特権、敵の範囲外からの先手を―――

Leaf「うおらあああヽ(。・ω・)ノ゛」

 ―――とることはなく、リーフはカボチャに襲いかかるのです。

Leaf「詠唱なんてまどろっこしいことはしてられねえ!」


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 いつのまにか。あれだけ苦戦したカボチャも、1対1ならあぶなげなく勝利することができるくらいに力をつけていることに、自分でも驚いて。
 その力を噛みしめるように、リーフは言いました。

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 違う。

Leaf「(´_ゝ`)クッククク・・(´∀`)フハハハ・・( ゚∀゚ )ハァーハッハッ!! これが力! 全てを破壊するウィザードの力だ!」
 どんな敵が来たって、薙ぎ払えばそれで済む。破壊の力に、リーフは酔いしれます。

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 そう、こんなふうにカボチャごときが束になってきても。

 いまのリーフに敵うはずが


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Leaf「ハァーハッハッハ……ぁ……ぁ?」



 成長(したつもり)の証を、ゲフェンダンジョンに刻み。死に戻ったプロンテラの空のしたは、今日も快晴で。

 いつもと変わらない空模様をみつめるリーフの心模様は、ちょっと鉛色の空。


 そんな、ウィザードの、第一歩。



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コメント
ジャルデウ (URL) 2015-10-23 20:42
なるほどウィザードは範囲魔法と。。。c⌒っ゚д゚)っφ メモメモ...
なぜか範囲魔法は3次職からだと思ってましたw
まだまだ知らないことが多いですねー。

それにしても、SSに全然魔法のエフェクトが映ってないのがリーフさんらしいですw
- () 2015-10-23 21:05
このコメントは管理人のみ閲覧できます
えか (URL) 2015-10-24 01:27
ついにウィザードに転職か…感慨深いな,おめでとう(棒)。
GDは誰も寄りつかなくなって寂しいよ。
またいつかGD臨時が蘇ってほしいものだ。
りゅう (URL) 2015-10-24 02:18
「これが力! 全てを破壊するウィザードの力だ!」←これ

見た瞬間コーンポタージュ吹きそうになりました。
ろく (URL) 2015-10-24 04:28
ゲフェD音楽とかもいいし思い出いっぱいあるのに、今や死にMAPだねえ、寂しい。
ところで、3Fにある謎の階段から昔ゲフェニアへ行けたんだぜ…
イベントかなんかでのプレ解放だったんだけど、
本実装もそこからという噂だったのに、どうしてか最終的に噴水にドボンすることになったんよね。
Leaf (URL) 2015-10-25 19:40
>じゃるさん
いや、影葱さんが大好きなメテオストームも素wizのスキルじゃぞ……?

>SS
フッ、オートスペル、出そうと思えば出せるんだぜ!


>非公開様
みたよ。


>えかさん
いやあ、wizになるまで1年以上かかるとは私も思ってなかったわよ……。
原因が誰にあるかははっきりしてるよね。

ほんとにねえ、誰も寄りつかなくなったダンジョンっていうのがさびしいですね。
ニャンゲーマーズクエとか用意するくらいなら、もう、一次職時代に相手する敵の経験値をぜんぶ一律に引き上げてくれればいいのにね。

GD遊臨も楽しそうだ。やってみたいですねえ。


>りゅうさん
力に溺れる者の末路である。


>ろくさん
ねー、死にマップでも行ってみればこんなに楽しいというのに。

GH3層目、そんなことがあったのですか。
ニブル村もGHも、どっかに通じてそうで通じない階段ありますよねー。

異空間への扉っていうネタはそこかしこにあるんでしょうけど、噴水がワープの扉になってるっていうのはなんなんでしょうねえw
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