10 迷宮の森で、迷わない一歩を。

 その、地図にも載っていない入り口の前で、リーフはすうっと深呼吸をしました。
 プロンテラの北に広がるその森の奥は、午後の陽光のしたでなお薄暗く。
 葉と木々の匂いが厚く重なって、吸った空気は妙に重く感ぜられて。

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 街の周辺にいる、ポリンやルナティックなどとは比べものならない凶悪な魔物の黒い気配が、その向こう側から。
 敵の力量を察知できる一流の戦士でもない、邪悪を感じ取れる聖職者でもない初心者冒険者のリーフでも、それがわかってしまえるほどでした。

 ここを、凶悪な魔物の住むダンジョンというのは、現在では相応しくはありません。
 ここが恐れられていたのは、ずうっとずうっと、ずうっとむかしの時代。グラストヘイムへの道すら開かれていなかったころのお話なのですから。

 だけれど、それはそれ。そんな昔の記憶をなぞりたい。
 ウィザードへの転職に望む前に、1次職として最後に挑んでおきたかったリーフにとってのその場処が、ここだったのです。

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 早くも。


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Leaf「クマなんか敵じゃねえ!」
 リーフがはじめて戦った敵はポリンではなくクマでした。


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Leaf「赤いやつ!」
 リーフのそばを走り抜けた、ハンターフライ。
 ずうっと昔の冒険者を一撃で即死させるほど強かったその敵とも、現在の1次職は互角に戦えるのです。


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 こんな目にもあいつつ。 迷いつつまろびつ、リーフはその森を歩いてゆきました。
 森の奥に進んだって、なにかリーフのおめあての宝物があるわけでは、ないのですけれど。

Leaf「まあ冒険ってそう言うもんだよ(。゚ω゚)。 」


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 そうして、その橋の先へと。
Leaf「このセリフはなんかクエスト関係なんかな?( ゜ω゜)」


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 止めてもても。何年前から修正されていない誤字なのかが気になるところです。
Leaf「おお誤字の神よ」



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 そして、出会うのです。
 狭いこの迷宮の森にモンスターがひしめいていた時代。奥にいる彼と対峙すると言うことは、モンハウをくぐり抜ける力の証明でもありました。
 最奥で待ちかまえている最強を打ち倒し、凱旋する名誉を求める冒険者たち。その目標として畏怖を集めていた敵の姿。

 長大な鎌を携える悪魔の姿を見て、リーフは言いました。
Leaf「プリースト転職試験でエンター連打を封じるせこい雑魚がこんなところに
Bap「……時代は変わったな(´・ω・`)」

 自らを恐れない冒険者の姿に、バフォメットはわずか、思うところがあるようでしたが。
 むしろ死を恐れない1次職の方に問題があるようなないような微妙なところだったので、それは置いておくことにして。

Leaf「ふん、ザコめ(`・ω・´)」
 そんな彼の気もお構いなく、リーフはその手に握った短剣に魔法を束ねて――――

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 もちろんこうなりました。
Leaf「あれ?( ゜ω゜)」
Bap「あれ? じゃねえよ。我を誰だと思っておる」
Leaf「小物」
Bap「(^ω^*)ピキピキ」

 怒りに震えるバフォメットを尻目に、リーフはすぐさま死に戻って、(ろくに対策なんぞはもちろん用意せず)森へと再突貫するのでした。

Leaf「ぜったい攻撃一発当ててやる(`・ω・´)」
 倒すことは主旨にならない。



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Leaf「イッデェ
Bap「お前、我をデビルチかなにかと同レベルだと思ってるだろ(´・ω・`)」

 地べたに倒れ込んだまま、魔法士は敵に見下ろされておりました。
 うつぶせのほおにあたる土の感触に屈辱を覚えながらも、しかしリーフは頬をつり上げて、笑むのです。

Leaf「ダンジョンっていうのはな」

 不敵な、意志のこもった声。
 バフォメットは、ほう、と感嘆の視線をリーフに送り。

Leaf「パーティを全滅させてくれる何かが居ないとおもしろくないんだよ
Bap「全滅前提で冒険すんなや(´・ω・`)」

 敵を睨みつけたまま、魔法士は。

Leaf「また来るよ、こんどはウィザードになって」
Bap「我に勝てると思うのか?」
Leaf「勝てる勝てないじゃない、いっぱつおまえらに魔法をうち込めれば私は満足なんだ(`・ω・´)」
Bap「お前、さっき詠唱せずに我に殴りかかってこなかった?(´・ω・`)」

 たとえどんなダンジョンでもひとりで歩けるレベルに成長していたとしても、リーフのこの突撃思考が変わらない限り、リーフの冒険のかたちも変わらないでしょう。
 敵に倒されても、楽しそうに笑うその魔術師に、バフォメットは呆れたような視線を向けて。

Leaf「勝てる気がしないから、腹いせにせめて範囲魔法をいっぱつぶち込みたくなる、正常な思考だよね(`・ω・´)」
Bap「……まあ、戦いになる程度には強くなってくるが良い」

 そう言い残して。敵はリーフから背を向けて去ってゆきました。
 いまどきの冒険者はみんなこうなのかと、首をかしげながら。


 ……ここを、凶悪な魔物の住むダンジョンというのは、現在では相応しくは、ないかもしれません。
 ここが恐れられていたのは、ずうっとずうっと、ずうっとむかしの時代。グラストヘイムへの道すら開かれていなかったころのお話なのでした。
 だけれど、じっさいの昔を知らないリーフにとって見れば、それはただの伝聞のお話でしか無くて。
 だから、いま、リーフは思うのです。

Leaf「凶悪なモンスター、ふつうにいるじゃねえか! だいたいなんだよこの森、迷うし! 道わかんなくてめんどくさいし!( ゜ω゜)」

 プロンテラの街の北にある、現在では、訪れる人が少ないダンジョン。
 そんなところでも、だれかが、ときどき、こんな冒険の物語を紡いでいるかもしれません。
 


 そうして、ウィザードを目指すリーフは。

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 その日もレベル10になって、1次職PTを楽しんでいたりするのでした。

Leaf「わたしがwizになるのはいつのことやら( ゜ω゜)」

 その日の内に、Jobレベル50を取り戻すことは簡単ではありましたけれど。

Leaf「転職試験受けるのがもったいなくなってくるのが困りもの(*´ω`*)」

 リーフの冒険は、いつまでも、そんな回り道です。



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コメント
えか (URL) 2015-09-09 00:51
よーしよしよし。
復活おめでとう。

迷宮の森はいろんな敵が出てくるから飽きないよね。
部屋同士がどう繋がっているんだかいまだに分かってないところもいい。
いまじゃ経験値稼ぐような狩場じゃないけど,森の全部屋を踏破するとなんかもらえるみたいなスタンプラリーっぽいクエストがあっても面白そう。
やばい敵がいる部屋はみんなで一斉に駆け抜ける! とか。
Leaf (URL) 2015-09-09 16:02
お祝い? ありがとうありがとう。

B鯖がまだ二次職までだった頃、数人の保護者さん以外は作りたてノービスで集まってから、ポリン島、オーク村、迷宮の森をぞろぞろ歩くイベントがあってね。
ますたりんに蹂躙されたり迷いの森でパーティーはぐれたり、楽しかったですよ。

プレイヤー側が、経験値稼ぎ以外の目的を企画して、そういう風にリサイクルするかたちも広まればいいんですけどねー。
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