01 Leaf、ミッドガルド大陸へ!

 広大な、ミッドガルド大陸。神も悪魔も実在する、神秘の大陸。
 たくさんの冒険者たちが、それぞれに、旅の物語を紡いでいくそのおおきな世界で。

 またひとり、あたらしい物語を紡ぐ旅人が生まれようとしています。



 霧深い早朝。少女は、ひんやりとした草のうえに立ち。
 目の前には、ひとりの案内人。
「冒険者アカデミーへ、転送しますか?」

 その問いに、少女はうなずきました。
 少女の名前は、Leaf(リーフ)。
 冒険者になることを目指して、ひとりの少女は、その第一歩を踏み出すのです。

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 いきなりどこへいく。


 転送された先は、アカデミーの受付の前でしたが。
 早く冒険者になりたい。そんなリーフはかったるい講座など受けていられません。
 アカデミーの入学手続きをさくっと済ませて、リーフは講座担当官の講義も聞かずに、アカデミーの建物の中を歩き回るのでした。
Leaf「冒険者といえばおつかいクエストじゃろ?」


 はたしてそれが正解かは、わからないのですけれど。



 リーフが受けたクエストは戦闘が必要のないとされる3つ。

 1.ミルクを届けました。
 2.手紙の解読を手伝いました。
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 3.クマから逃げまわりました。 




Leaf「この服装で雪原を冒険するのもおつなものだ」
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 やせがまん。


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 そもそも戦闘してない。



 3つ目のおつかいを済ませて、ほっと一息をついたリーフでしたが、ひとつのことに思い当たるのでした。
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Leaf「やべえ」(むしろ死ねば楽に戻れます)



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Leaf「冒険の最初っていったらスライムじゃろ? なんでクマよ」





 ……ともかく、クマに追いかけられる状況を切り抜けたリーフに、慢心が生まれます。
 もう自分にはアカデミーでの修行など必要ないのだと。外のポリンなど敵ではないはずだとふふんと笑って。

Leaf「クマすら敵ではない私の実力ならもうアカデミー卒業扱いでいいじゃろ?」


 そんなわけはない。



 そして彼女はアカデミーから背を向けて、彼女なりに、冒険者を目指して行動をはじめるのでした。
 その手には、入学手続時に支給されたものと、おつかいの報酬で手に入れたものをあわせて、450個もの赤ポーション。
 これだけあれば私は不死身だ。リーフの身体には、多大な自信がみなぎっています。


 首都プロンテラのすぐ南のフィールドは、冒険者たちがたくさん集まって、賑わいを見せています。
 青い青い空の下。いっしょに冒険へ行く臨時パーティの募集を呼びかける声や、露店を出している商人たちの姿。
 ただ休憩しながら、親しい仲間たちと歓談している人の数も、多く。

 そんなざわめきから離れて、リーフはひとり、自分の冒険者としての腕を確かめるべく、ポリンの身体目がけてナイフを振るうのでした。

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Leaf「もしかして私って弱いの?」

 そりゃそうだ。
 


 まあしかしそこは最弱モンスター。
 なんとかかんとか、ちまちま攻撃しながらポリンを倒して経験値をちょっとずつ上げていくリーフでしたが。


Leaf「飽きた」


 もっと強い敵がいる場所を求めて、プロンテラの街へと戻ります。





 気分転換もかねて、街を散策するリーフ。
 その街中で、とある噂を耳にします。
 ここ、プロンテラ地下の下水道で、最近、魔物が増えてきたために、騎士団が、魔物退治の冒険者を募集しているのだと。


 400個以上のポーションを持つ不死身の私に退治できない魔物など!
 初心者ノービスは、その募集に、威勢よく飛び込んで……。


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Leaf「まじかよ」




 ……とぼとぼと、プロンテラ南の広場にもどるリーフ。レベル上げしてからりべんじかなー。そう思いながら歩いていると、自身の体を包む光が。
 それは、聖職者としての修行を経験した冒険者が使用できる、一時的に速度や力を強化する支援魔法でした。
 見知らぬ冒険者に突発的に行う、辻支援とも呼ばれる、無差別に適当にばらまかれた支援魔法がリーフの身体にもかかったのです。

Leaf「もしかして」

 顔を上げたリーフはつぶやきます。


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かかりすぎ。


Leaf「こんだけ強化されれば……!」


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 支援魔法の効果が解けないうちにとリーフは全力疾走。


 そして。


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Leaf「クマの方が強かったぜ!」(戦ってはいない)



 そして少しレベルがあがったリーフは、街へときびすを返すのでした。



 暗い下水道から、陽光が差す大地のうえ。まぶしさを避けるために、とある木陰のベンチへと。
 陽の高くなったお昼どき。喉かわいたし、お腹も減ってきたなーと、ポーションを飲もうとして。

Leaf「ポーション減りすぎ」

 これまでの戦いで、ポーションを300個以上使用していた現実に気づくのでした。


Leaf「いいもん、これから強くなるから」

 下水での戦いで、ノービスのジョブレベルが9に上がったリーフには、一次転職の道が開けているのでした。
 だから問題は、何に転職するか。なのですが……。


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 ――――少し、考え込んで。





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 リーフは立ち上がって、歩き始めました。




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 目指すは遠く、西の方角。


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 さいわい、その道のりには自分に襲いかかってくる気性の荒いモンスターはおらず。


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 モンスターとの交戦を避けた、穏やかな旅歩きとなりました。


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 歩いて、歩いて。もう空は夕暮れにさしかかるころ。

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 そこはルーンミッドガッツ王国の西の果て。窪地の中心に魔法の塔を囲む、湖の街。
 中央に、空へ向かってそびえ立つ巨大なその塔こそ、魔法の力の象徴。 

 ――――魔法使いの街、ゲフェン。




 階段を下りて、石畳を歩いて。
 北西にある、「魔法学校」と簡単な立て札があるだけの建物へと。

 中央の塔と比べると、他の建物とはそう違いのないその室内で。

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 マジシャンへの転職を担当する、女性の姿がありました。



 建物の入り口から入ってきたリーフを見て、その魔法使いは珍しげに、尋ねました。
「転職希望者ですね、この街の出身――?」
Leaf「――? いえ。プロンテラから来ましたが」
「……なるほど」
 リーフの問いに簡単にうなずく女性でしたが、その質問に何の意味があったのかは、リーフにはわかりません。


 ――転職は、簡単です。リーフの戸惑いをよそに、女性はそう言いました。
 ノービスの基本をおさえてさえいれば、魔法使いになりたいという意志だけあればいいのだと。
「特別な、試験はありません。魔法士になることが重要ではなく、魔法士になってから、その道で、何を成し遂げようとするかが重要なのですから」
 彼女は、そう笑みを浮かべて、リーフをみつめます。


「――いまは、ここに入り口からちゃんと入ってくる人は少ないんですよ」
Leaf「――――?」
「転職希望者は、アカデミーでノービスの講義を終えたらすぐ私の目の前に転送されてきますからね」
 ほら、うわさをすれば……、と。ひとりのノービスの姿がしゅん、と目の前にあらわれて。
 そうして女性の許可を得たそのノービスは、マジシャンの姿になって、すぐに、アカデミーへと消え戻るのでした。


 ――簡単でしょう? 彼女は表情に、ちょっとだけ、いたずらっぽいいろをのせて。
 それぞれの、一次転職の希望者のはじまりは、ここからなのだとリーフへと告げました。


「だから、いちいちマジシャンへの志望理由を尋ねることはしないのですけれど」
 女性はリーフへ視線を合わせて。

「あなたはなぜ、マジシャンへの転職を望むのですか」

 そう、尋ねます。

 リーフはその問いに、少し、視線をうつむかせて。
 だって、リーフにも、たいした理由などないのです。

 ただ。
 ただ、いろんなところを旅できる、冒険者になりたいから――

Leaf「私は、冒険者になりたいです」
 
 ――冒険者に、なりたいから、魔法の力を。

Leaf「冒険者になって、いろんなところを歩ける力が欲しいと思いました」

 ナイフを振るっているだけでは、それはなかなか難しくて。

Leaf「だから――」

 暗い下水の風景や、プロンテラからここまでの草原と青空の道のりを、頭のなかに思い浮かべながら。
 リーフは視線を上げて。女性の目をみつめて。

Leaf「――だから私は、魔法の力が使える冒険者に、なりたいです」

 魔法の力を誇る魔法士になるのではなく。
 ただ、冒険に役立つ力がほしいから――――

 たいしたことでも、なんでもない。

 ――――たったそれだけの理由を、まっすぐに、述べるのでした。



 足もとに、そよ風。かすかな光が、一瞬だけ、リーフの身体を撫ぜてゆき。
 光が去ったそこには、ひとりの、魔法士の少女の姿が。
 光の名残を、ぎゅっと握るように。リーフは胸に、手を当てて。
 自分のなかに、あたらしい、魔法の力が息づいている。そう、感じることができるのでした。


「転職、おめでとうございます」


 あたらしくうまれた、魔法士に向かって。
 あたらしくうまれる、たくさんの魔法士を送り出してきた女性は、そう、笑いかけます。

「――――お往きなさい」

 あたらしい、はじまりへと。

 そこには、心躍る冒険の旅が、あるのかもしれない。
 自分の思い描いたようなものではない、苦難と苦痛の出来事が、起こるのかもしれない。

 だからこそ、強い意志で。あなたの前に開いたその道を。


 リーフは、振り返りました。さっき、くぐってきた入り口。
 この建物の、出口。
 あたらしい世界へ、繋がる道――――


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 夜が訪れようとする、魔法士の街で。ひとりの少女は決意を新たに、前を向いて。



Leaf「行っくぜぇあ!ヽ(。・ω・)ノ゛」

 あたらしい力で、旅をする――――







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 魔法は!?



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Leaf「スキルポイント? まだないよ?」


 それじゃあしょうがない。




 

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コメント
あむるん (URL) 2014-07-23 22:57
初めまして!ご訪問ありがとうございます!

なんだか今までに見たことないブログの形式(俺の環境だけ?)で更新楽しみにしています!

最近更新停滞気味なブログですがリンクしてもよろしいでしょうか?wwwww
お返事お待ちしております!
Leaf (URL) 2014-07-24 03:20
(´゚ω゚):;*.':;ブフォ
こんな作ったばっかりのブログがどうしていきなり補足されたのかと驚きでしたが、
FC2に登録するとFC2同士の足あと機能みたいなモノがあるのですね(*´ω`*)、ああホントびっくりでした。

リンク。まだ記事も満足に少ないこんなブログでよければ……!
これから頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
あむるん (URL) 2014-07-24 19:19
あの機能知らないでいるといろんなとこに足跡残りますぜぃ!w
まぁ残ったところでって感じですがw

さっそくリンク追加させていただきました!これからも記事楽しみにしています~
綾小路 (URL) 2014-07-31 09:01
なんか、こう言うの素敵!
実際にプレイしてても
こんなお話浮かばないよ

書くの大変そうですが楽しみにしてますよ
Leaf (URL) 2014-08-01 00:29
コメントありがとうございます。
いろんな場所を一次、二次職の成長に合わせて歩いていくような
創作旅行記録にでもなればなと思っています。
素敵とコメントいただけたこと、とても励みになります。(*´ω`*)
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